贈与税額控除

贈与税額控除とは、贈与税と相続税を2重に支払わないようにするための制度です。

相続人が、相続開始前3年以内に被相続人（亡くなった方）から贈与された財産は、相続税の対象となります。
しかし、財産の贈与に対し、贈与税を支払っている場合、支払った贈与税の金額分は相続税から差し引くことができます。

贈与税は暦年（1月1日から12月31日）を区切りにして計算し、贈与によって財産をもらった年の翌年の2月1日から3月15日までに申告納税をいたします。

したがって、贈与があった年の翌年3月15日が申告書の提出期限となります。
なお、その期限は同時に納付の期限ともなりますので、納めなければいけない税額がある場合には、申告書の提出と併せて税金の納付も行わなければなりません。

申告書の提出や税金の納付がその期限を過ぎてしまうと、贈与税に加えて延滞税や加算税と呼ばれる罰則的な税金も納めなければいけなくなりますので注意が必要です。

贈与税の申告書は税務署に提出するのですが、どこの税務署でも良い訳ではありません。

贈与税の申告書は、財産をもらった人の住所（市区町村）を所轄する税務署に提出します。
ですから財産をあげた人がどこに住んでいたのかは関係ありません。

また、2部作成し税務署で受付印を押してもらって、1部を控えとして保管しておくことをお勧めします。

申告書の様式は、国税庁のホームページに掲載されていますので参考にしてください。

代表的なものの内容をご紹介します。

贈与をした人、贈与をした財産の種類と金額、取得した日、財産の価額等最終的な贈与税額までを計算します。
暦年課税贈与税で特例の適用などを受けていなければ、申告書はこの1枚だけになります。

贈与によって取得したお金で住むための家を新築等した場合には、一定の要件を満たした場合に非課税の適用を受けることができます。
その規定の適用を受ける場合に使用します。

相続時精算課税の適用を受ける場合に使用します。
相続時精算課税の適用を受ける場合には、「相続時精算課税選択届出書」を提出する必要があります。

選択した場合この制度が適用され、暦年課税に変更することができません。

一般的な贈与税の申告書を提出する場合には、取得した財産の種類に応じて、その評価額の計算の根拠とした書類以外に添付書類はありません。
ただし、相続時精算課税の適用を受ける場合や特例の適用を受ける場合には添付書類が必要となります。

主なものは次の通りです。

1.財産を貰った人の戸籍謄本又は抄本で、次の内容を証する書類
（贈与を受けた日以後に作成されたもの）

①贈与を受けた人の氏名、生年月日

②贈与を受けた人が贈与者の推定相続人又は孫であること。
（注）贈与を受けた人が贈与者の孫である場合、贈与者の子の戸籍謄本（抄本）も必要です。

1.財産をもらった人の戸籍謄本又は抄本

2.財産をもらった人の戸籍の附票の写し

3.適用を受ける居住用不動産の登記事項証明書

1.財産をもらった人の戸籍謄本

2.財産をもらった人の源泉徴収票など

3.適用を受ける家屋についての工事の請負契約書や売買契約書の写し

4.適用を受ける家屋についての登記事項証明書

贈与契約自体は契約書がなくてもお互いの意思が合えば有効となります。
しかし、贈与契約書を残しておかないと親族間でもめ事になったり、贈与が認定されなくなったりということがあります。
そうならないためにも、贈与契約書を残しておくことをお勧めします。

贈与契約書は、「誰から誰へ」「何を」「いつ」といった内容を明記し、あげる人ともらう人の署名と捺印を行います。

法務局に行って「確定日付」を押してもらうとその契約は更に確実なものとなります。
贈与契約書の内容は、検索サイトなどで検索するとすぐにサンプルが見つかりますので参考にしてください。

			贈与契約証書

				令和年月日

贈与者　（以下、甲という）　と受贈者　　（以下、乙という）　との

間で次のとおり贈与契約を締結した。

1．	甲は乙に対し、本日金円　なりの

	現金を贈与し、乙はこれを受領した。


上記のとおり契約が成立したので、本証書２通を作成し、甲及び乙各１通を保持する。


	贈与者　（甲）

		住　所

		氏　名


	受贈者　（乙）

		住　所


		氏　名

西湘・秦野あんしん相続相談室代表 杉原陽

保有資格	公認会計士・税理士・行政書士
専門分野	相続、事業承継、M&A
経歴	会計・税務業界で20年以上、内3年間は海外勤務も経験している。これまでの経験と実績から、あらゆる相続・事業承継のご相談に対応が可能。秦野市を中心とする西湘エリアの地域経済に貢献していきたい。